openEHR臨床モデリングチュートリアルとアンカンファレンス¶
2015年12月に、特定非営利活動法人として日本openEHR協会が正式に認可されました。それを記念しまして臨床情報モデリングチュートリアルとアンカンファレンスを2016年1月20日から23日までに京都で開催しましたので報告します。
openEHRによる臨床情報モデリングチュートリアル¶
臨床上モデリングは日本の医療情報学において最も重要でありならがかけている分野の一つです。この数年間、臨床情報モデリングについてのチュートリアルセミナーを開催してきましたが、半日か1日のコースでしたので単にopenEHRのアーキタイプモデルの紹介をするにとどまっておりました。
今回が初めての2日にわたるチュートリアルで、オーストラリアからHugh leslie先生とHeather Leslies先生にきていただいて以下のような内容でチュートリアルを行いました。
- openEHRとは何か。
- アーキタイプとは何か。
- 喫煙の臨床情報モデルをマインドマップで作成する。
- アーキタイプエディター、テンプレートデザイナー、ハンズオン・オフ
- 入院時サマリーについてシナリオに沿ってテンプレート作成
集まった10人は主にエンジニアでしたが、循環器内科医や学生もいました。ほとんどの人にとってはこのチュートリアルは初めてのopenEHR体験でしたが、皆さんよくアーキタイプやテンプレートの仕組みについて理解されていたようです。アーキタイプやテンプレートについての議論は引き続き開催されたアンカンファレンスにまで活発に引き継がれました。
The openEHR unconference in Kyoto¶
アンカンファレンスはトップダウンで組織される従来のカンファレンス形式とは異なり、幅広く人を集めるために参加者主体で行われる会議のことです。最初、私は特定非営利法人日本openEHR協会設立を記念して行われるこの会議をどう組織していくかについてかなり悩みましたが、結局アンカンファレンスを行うことにしました。なぜなら、これから何をすべきかどうか自分たちでよく話し合うべきで、それは自分だけが考えるべきことではないと思ったからです。openEHRは開かれたコミュニティであり、自発的な活動が主体となっています。そのような背景からNPO法人日本openEHR協会の立ち上げに参加する人は、だまって既成のものを誰かが胃袋に詰め込んでくれるのを口を開けて待っているべきではなく、一緒に料理してできたものを分かち合う人たちあるべきです。結論として、2016年1月22日にNPO法人日本openEHR協会の最初の会議としてアンカンファレンスを京都で行うこととしました。
26人の参加者がこのアンカンファレンスに集まりました。多くの人はエンジニアであり、研究者でオーストラリアや中国から参加してくださった方もいました。
まず、最初に私からアンカンファレンスとしてはどのようなものであるか説明し、何をすべきであるかそしてopenEHRの果たすべき役割(特に日本において)には何かについて話し合いました。
このような会話が行われたことがこの会議の特色を表していました。
Q: What is the missing of openEHR? That is the most important. I would like to know that.
A: Your contribution is.
30分間議論を行い、午後の演題を以下のように決定しました。
- What the openEHR is
- openEHR Localisation, Japan and Asia.
- Case study.
参加者はそれぞれのトピックごとに分かれて、そのセッションの内容について話し合ってスライドを作っていきました。
昼食の後、それぞれのセッションは活発な議論とともに始まりました。
What the openEHR is¶
チュートリアルと同じくHugh Leslie先生とHeather Leslie先生によってプレゼンテーションが行われました。午前中の議論の内容が反映されていました。
Localisation of openEHR¶
私はopenEHRのlocalisationについて産業界の人や中国浙江大学から参加していただいた呂先生と議論しました。スライドは "ここ":http://www.slideshare.net/openEHR-Japan/localisation-of-openehr にあります。日本でも産業界を巻き込んでいくためにはopenEHRのブランドを生かす戦略が必要で、製品の適合認証やイベントの認証などを行っていくのがいいのではないかという意見がありました。これについては、openEHR foundation本体とお話し合いをしていく必要があります。
Case study.¶
2つの事例が紹介されました。一つは呂先生から中国で臨床データリポジトリとしてopenEHRベースのものを浙江大学で開発したという "事例"http://www.slideshare.net/openEHR-Japan/introduction-of-bjubmrrg-and-use-case-study-of-applying-openehr-archetypes-to-cdr-implementation でした。
もう一つは現在日本で進行しているopenEHR/ISO13606のアーキタイプをベースとした国家規模のEHRシステムについて粂先生から講演がありました。
Reception¶
議論の後は、かごのやに移動してしゃぶしゃぶをつつきながらさらに議論が進みました。これまでの議論についての総括と今後の方針について話は盛り上がりました。
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KOBAYASHI Shinji さんがほぼ8年前に更新 · 2件の履歴